Gildas (Kitsuné)
ユースカルチャーの新しいタイラントとなったKitsuneブランドのミュージック・マスターマインドであるGildas Loaecは、Daft Punkのマネージメントを10年以上にわたり務めていた2001年に、当時建築事務所で働いていた黒木理也とチームアップし、音楽/ファッション・レーベルであるこのKitsuneを発足させた。
音楽レーベルとしてはTei TowaのTOMBROWNEのカバー曲である「FUNKIN' FOR JAMAICA」の12インチリリースを皮切りに、2003年には初のコンピレーション『KITSUNE LOVE』をリリース。DAFT PUNKは勿論、TREVOR JACKSON、F.P.Mなどの楽曲を収録し、シーンに強烈なインパクトを与えた。
翌年、リリースされた『KITSUNE MIDNIGHT』には、BLACK STROBE、COSMO VITELLIなども参加し、大ヒット。その後も『X』『FUR』などのコンピレーションを経て、今では大ヒットシリーズとなった、『KITSUNE MAISON』シリーズをリリース。ジルダの嗅覚と幅広いネットワークのみでコンパイルしたシリーズのカタログは15を迎える。
当時無名であったDigitalism、La Roux、Autokratz、Two Door CinemaClubらの現在の活躍をみればその、その鋭さは明確である。
彼のDJセットは、ダンスフロアの定番と、現在進行形でシーンに必要な音楽できっちりと構成される。ヒットメーカーとしての才能をフルに発揮し、時代のトレンドが彼の後を追うように、我々はしばらくしてそのセットの内容に納得する。エレクトロニックダンスサウンドとインディーロックの現在と未来は常にジルダによって導かれているようなものなのだ。